世界最大規模の家具見本市

山川設計の藤井です!先日、イタリアミラノで行われる世界最大規模の家具見本市、「ミラノサローネ」に行ってきました。第63回を迎えた今回は、会期中の4月8日〜4月13日の期間で30万を超える来場者があったようです。そのうち68%が外国人業界関係者ということで、世界中の建築・デザインのプロが注目しているのが伺えます。

また、この期間にはエウロルーチェという照明の見本市が行われていたり、ミラノ市内にショールームを構えるいくつかのブランドは、本会場とは別にミラノデザインウィークとしてのイベントが開催されていたりします。

日本の展示会と異なるのは、日中は商品の説明や展示を見てもらい、夕方にはパーティーなどの交流会が開かれることでしょうか?

サローネ会場入り口付近 非常に多くの来訪者が来ているのが分かる

今回は私が見てきた展示の一部を紹介させていただきます。

EDRA

イタリアのトスカーナ州にて1987年に創業したブランド。最上級のくつろぎと流行にとらわれないエレガンスさがコンセプトとのこと。

バラをイメージしたチェア。驚くべきはその座り心地の良さ。デザイン違いもある。

GEMSは新しいコレクションで、鉱石をテーマにしたシリーズ。EDRAの驚くべきは、縫製に使う糸から試行錯誤をしているということ。それにより見たことのない独特のテクスチャーを作り上げている。また、世界観を重視することで機能面を犠牲にすることなく、どのソファーも座り心地が本当にいい。この写真はその縫製のサンプル。

GEMSのソファ。実際にはラメのようにキラキラした素材が織り込まれている
手前のチェアは高温の線状にした樹脂を職人が手で形を作っているとのこと
シロクマのオブジェと氷山をイメージしたソファ
屋外にも展示が続いている

公式WEBサイト https://www.edra.com/en/home
日本ではLIVING HOUSEが代理店となっている。

GESSI

水廻りの製品に高いデザイン性をもたらしているイタリア発の水栓メーカー。

新しいシリーズを含めた水栓、シャワーのコンセプトブース

日本よりもシャワーに対しての感度が高い!通常のデザインでは満足いかない方はぜひ。

水栓から炭酸水やエスプレッソがでる水栓!
デザイン性の高い水栓が数多く並ぶ。デザインによっては、「これは洗面室の内装選ぶなぁ」と思うものも。うまく使わないと逆に安っぽくなりそうみたいなのもありました。洗面器や洗面室も含めたトータルコーディネートが大事ですね。
屋外用のシャワー水栓。シャワー自体に照明が組み込まれているのもあります。

公式サイト:https://www.gessi.com/

moooi

2001年に設立。個性的な照明や家具でありながら、長く愛されるデザインを作っている。

繊細な照明計画

公式WEBサイト:https://moooi.co.jp/

Turri

1925年にイタリアブリアンツァにて創業。イタリアのクラフトマンシップと卓越した素材、ディテールにこだわったデザインがされている。

ベージュを基調とした空間に、レザーとウッド、真鍮が組み合わされた家具は全体を通した中で今のトレンドを強く反映しているように思えました。

公式WEBサイト:https://turri.it/

TIME & STYLE

北海道に工場を持ち、ミッドタウンにもショールームがあるTIME&STYLEのミラノ店にもお邪魔した。驚いたのはその展示スペースの広さ。木材へのこだわりと、イタリアの職人技術とはまた異なる日本の職人技術が詰め込まれているのをあらためて感じました。

日本的な家具だから純日本的な空間にというわけではなく、イタリアのスタイルともマッチした空間を作り上げることができるのだと感じることができました。

他にもミラノサローネでは、カリモク家具やRitzwell、アンビエンティックなどの日本ブランドを見ることができました。

公式WEBサイト:https://www.timeandstyle.com/jp/

bross

小さなブースながら気になったのがこちらのbrossというブランド。イタリアのウーディネという地域にて1981年に創業したブランド。対応してくれた方が英語が苦手な技術職の方ですべてはわからなかったが、高いクオリティと技術が使われた家具がそろっていた。

とても座り心地のよいハイチェア。色味も合わせやすいながらもイタリアらしいハイセンスな色がそろっている。

他に置いてあったダイニングチェアやソファもちょうどよいサイズ感と合わせやすさで、使い勝手はとってもよさそう。

こちらは屋外用のファニチャー。屋外用に見えないのと、そのサイズ感も大きすぎず使いやすい。

公式WEBサイト:https://bross-italy.com/

KARE

見ていて楽しかったのはこちらのブランド。1981年にドイツで創業し、「LIFE is about style!」を掲げ楽しい雑貨からインテリア、照明、アートまですべてがそろう!と感じた。

今回のサローネに合わせたポップなインテリアが並ぶ
ミラー、テーブル、チェア、ラグ、照明とトータルでそろえるのが楽しい

KAREはアイテム数が多いため、どうしても雑貨屋さんという印象があったが、ミラノサローネではトータルコーディネートされた空間がいくつもあり、自分の好きなスタイルがきっと見つかるという強さを感じました。

全く異なる空間がいくつも並んでいる。価格帯もあまり高くないので、手が出しやすい。

公式WEBサイト:https://kare.co.jp/

emu

1951年創業のイタリアのブランド。屋外スペースを心地よくするための質の高いアウトサイドファニチャーを取り扱っている。

日本ではASPLUNDが代理店となっている。

公式WEBサイト:https://www.emu.it/

CASALGRANDE PADANA

北海道大学や千葉駅構内にも実績を持つタイルの会社。1960年創業のファミリーカンパニーで、80歳を迎える社長は今でも健在だとか。

トーンを抑えたマット系のタイルにテラコッタやピンクの色合いが、今のトレンドらしいカラーになっていて思わず写真を撮ってしまいました。ほかにもプール用のタイルや、特殊なコーティングを施したタイルを扱っています。

Bentley home

上質な素材と高い技術力を合わせて高級インテリアを制作しているベントレーホーム。

ピクニックというのは新作の一つのテーマとのこと。前期のベージュに黒やグレーを合わせたコントラストの強いデザインから、よりトーンを落としてベージュを基調にしつつもテラコッタや深いグリーンを合わせたのが今期の特徴。より時代を選ばないカラーを使ったとのこと。
木とレザー、ファブリックのマテリアルミックスのデザインのクローゼット。オレンジのファブリック部分にはカシミアが使われているそう。
他にも素晴らしい技術が使われた商品が数多く並ぶ。もちろん、ソファの座り心地も抜群。
紫紅の化粧台。この色は塗装ではなく希少な樹木を加工しているとのこと。とても鮮やかで素敵である。

公式WEBサイト:https://luxurylivinggroup.com/pages/bentley-home

TECHNOGYM

家具・照明だけでなくこのようなトレーニング機器メーカーでもデザインウィーク中はかなりの人が集まる。

最近のカラートレンドに合わせてベージュを用意。

公式WEBサイト:https://www.technogym.com/ja-JP/

ELOA UNIQUE LIGHTS

2015年にドイツ、ベルリンにて創業。独特の形状で職人の手によって制作されたガラスは、空間にやわらかさと個性を与えてくれるかわいらしいデザイン。

リビングにこの照明があるだけで空間が一気に華やぐでしょう

公式WEBサイト:https://eloa.co/

Pinetti

個人的に好きなアイテムがたくさん。家具だけでなく、雑貨類もそろえてよりホテルっぽくしたいという方は是非!

公式WEBサイト:https://pinetti.jp/


いかがでしたでしょうか?ここで紹介したのはほんの一部で、日本でも有名なモルティーニやカッシーナ、ファッションブランドのETROやベルサーチ等、数多くのブランドを拝見して非常に刺激的でした。
皆様のご参考にもなれば幸いです。