「新築住宅にこだわりを詰め込むなら、設計事務所がいいと聞いた。でも、設計事務所って何だか敷居が高そう…。」
「どんなところか具体的にイメージできていないから、いきなり相談するのはちょっと怖い…。」

「設計事務所」とはどのような存在なのか、ハウスメーカーと何が違うのか、よくわからないまま不安を感じている方も少なくありません。

「聞いたことはあるけどよくわからない」を解消すべく、本記事では、設計事務所とはどのような存在かをわかりやすく解説します。納得してパートナー選びができるよう、判断材料としてぜひ参考にしてください。

設計事務所とは

設計事務所とは、建築の設計や工事監理などを行う事務所のことです。「建築家」とも呼ばれる建築設計のプロが在籍しています。

一口に「設計事務所」といっても、数人だけの少数精鋭の事務所もあれば、100人越えの大規模な事務所もあります。

施工は設計事務所では担当せず、工務店などに依頼します。設計のみを専門とする特性上、建築主が作りたいものを形にすることを第一に考えるのが特徴です。

「施工を担当しない」といっても、後工程を他社に丸投げするわけではありません。設計事務所は建築する建物の規模や特徴に合わせて施工業者を選定し、予算に収まるように設計内容の見直しや金額調整を行います。また、設計指示通りに建築が進んでいるか、完成した建物が設計指示通りかを確認することも、設計事務所の業務に含まれます。

設計事務所に在籍する「建築家」とは

建築家とは、建築設計のプロのことです。特定の資格を持つ人の呼称ではありませんが、設計や工事監理を担うプロを「建築家」と呼びます。

規格化・半規格化された家を取り扱うハウスメーカーとは異なり、設計事務所では規格が設けられていない状態から、建築家のセンスや設計力を頼りに家を作りあげていきます。そのため、設計事務所で建築家に家づくりを依頼することで、希望のデザインや間取りを取り入れた、唯一無二の住宅を実現できます。

なお、似たような言葉に「建築士」がありますが、建築家と建築士とでは意味が異なります。

種類定義
建築家・主に設計や工事監理を担う者
・一級建築士などの特定の資格は必要ない
建築士・建築士試験に合格し、建築士登録をした者
・一級建築士、二級建築士、木造建築士のいずれかの国家資格が必要となる

ただし、建築確認の申請には建築士の資格が必要であるため、建築家は資格を持っているケースがほとんどです。

上記の定義以外だと、

  • デザイン性や芸術性を語るニュアンス:建築家
  • 技術的な側面や法的な区分を語るニュアンス:建築士

のように使い分けられることもあります。

設計事務所の種類

設計事務所には、以下のような種類があります。

  • アトリエ系設計事務所
  • 組織設計事務所
  • 専門設計事務所

それぞれの種類の特徴を押さえましょう。

アトリエ系設計事務所

アトリエ系設計事務所とは、意匠設計を得意とする個人や少人数の建築家が運営する事務所のことです。

アトリエ系設計事務所が手がける建築物の設計は、設計事務所の主宰者のデザイン性や作家性が反映される傾向にあります。

アトリエ系設計事務所の場合、得意分野が事務所ごとに異なるため、住宅の設計を依頼する場合は注意しましょう。高級感のある豪邸のようなデザインに特化しているケースもあれば、シンプルなデザインを得意としているケースもあります。

得意としている住宅の規模もそれぞれ異なり、戸建て住宅の設計をメインにしている設計事務所や、商業施設やホテルなど大規模な施設の設計を得意としている設計事務所もあります。

組織設計事務所

組織設計事務所とは、企業として組織化された事務所を指します。所属する建築家の数が多く、かつ手がける建築物の規模が大きいのが特徴です。

組織設計事務所は、以下をトータルで設計・計画するのが一般的です。

  • デザイン
  • 構造
  • 電気設備
  • 機械設備

組織設計事務所は個人の住宅など小規模な設計は対応していない場合があるため、事前にホームページで情報をチェックしましょう。

専門設計事務所

専門設計事務所とは、住宅や病院など特定の分野の建物を専門で設計する事務所のことです。

一口に「住宅設計」といっても、得意分野は設計事務所によって異なります。たとえば、高級感のある家づくりに特化している事務所や、自然素材を使った設計が得意な事務所などがあります。

また、住宅の用途ではなく、構造設計や設備設計などの設計分野に特化した事務所もあり、あらかじめ専門設計事務所の特徴を調べておくことが大切です。

設計事務所ごと得意な建築工法は異なる

前の章で解説したように設計事務所にはさまざまな種類があり、そのなかで得意な工法もそれぞれ異なります。一口に住宅といっても、木造・鉄骨造・RC(鉄筋コンクリート)造とさまざまで、それぞれ構造計算や建築の進め方が大きく異なるためです。

とくにRC住宅は、設計事務所によってはそもそも対応していないケースがあります。RC住宅は設計・監理に経験と高度な知識が求められるためです。さらに、工事費用が高く発注機会が限定的で、経験が蓄積されにくいことも一因です。

「耐震性や耐久性に優れたRC住宅を建てたい」とお考えの場合は、RC住宅の設計実績が豊富な山川設計にぜひご相談ください。

設計事務所とハウスメーカーや工務店との違い

設計事務所とハウスメーカーや工務店との違いは、以下のとおりです。

設計事務所ハウスメーカー工務店
概要設計・工事監理業務を主な業務として、施工は工務店などに依頼規格化された注文住宅を販売自社で設計した住宅を自社で施工(設計事務所やハウスメーカーの依頼を受けて施工することもある)
設計の自由度
品質
コスト△〜◯
工期

設計事務所は設計・工事監理業務をメインにしており、ハウスメーカーや工務店よりも設計の自由度が高く、理想のマイホームを実現できます。

設計事務所・ハウスメーカー・工務店の違いの詳細は、以下の記事を参考にしてください。

設計事務所に家の建築を依頼するメリット

設計事務所に家の建築を依頼するメリットを解説します。依頼を検討するうえでの参考にしてください。

設計の自由度が高い

設計事務所ではオーダーメイドの設計が可能で、こだわりを反映した理想の家を建築できます。設計のみを専門で行う特性上、施主様が作りたいものを形にすることを優先できるからです。

また、施工は自社で行わないものの、設計内容に合わせて建築できる工務店や建設会社を探してくれるので、希望の仕上がりを実現できます。

ただし、設計の自由度が高いからといって、どのようなデザイン・間取りでも実現できるわけではありません。実際には土地の条件や法令によって設計が制限される可能性があるため、土地探しからサポートしてくれる設計事務所を選びましょう。

デザインに個性を出せる

設計事務所に家づくりを依頼すると、内装・外装のデザインに個性を出せるのがメリットです。設計事務所は設計力で報酬を得ており、家のデザイン性に注力しているからです。

また、自社で施工を行わない特性上、「施工のしやすさ」にとらわれないため、建築家のセンスを反映したデザイン性に優れた住宅にできます。

要望を取り込みつつ建築家が一から図面を起こすことから、個性的なデザインと安全性の両立ができるのも、設計事務所ならではの魅力だといえます。

工事監理によって高品質な住宅を実現できる

設計事務所は設計だけではなく「工事監理」の役割も担うため、施工不良を避けて高品質な住宅を実現できます。

工事監理とは、設計意図が施工に正しく反映されているか工事現場にて点検・確認することです。

正しく施工されていない場合、施工会社の工事管理者に指示を出して工事を是正させることも設計事務所の業務です。自社で施工していない分、住宅の品質が担保されているかどうかを厳しい目でチェックします。

設計事務所に家の建築を依頼するデメリット

設計事務所に家の建築を依頼するデメリットを解説します。メリットだけではなく、デメリットも踏まえて設計事務所に家づくりを依頼するか決めましょう。

家の完成までに時間がかかる場合がある

設計事務所は設計の自由度が高いメリットがある一方で、以下のような理由から家の完成までに時間がかかる可能性があります。

  • こだわりを詰め込んだ詳細な図面を作成する
  • 施工会社へ別途見積もりの作成を依頼する
  • 既製品の利用が少ないために現場での作業が増える

設計事務所によって異なるものの、設計事務所に依頼する場合は家づくりに1年~1年半程度かかるのが一般的です。お子さまの入学など入居したいタイミングが決まっている場合には、余裕を持ってスケジュールを組みましょう。

最終的なコストがわかりづらい

設計事務所に家づくりを依頼すると、施工が別会社となるので最終的なコストがわかりにくいのがデメリットだといえます。工事費用は設計事務所ではなく施工会社に支払うことから、契約相手が2社になるためです。

最後に予算オーバーに気がつくケースがあるため、費用を明確にしてくれる設計事務所を選ぶことが重要です。

また、こだわりをすべて詰め込むとコストがかかりすぎる可能性があるため、間取りやデザインなどについて優先順位を明確して家づくりを進めましょう。

引き渡し後のアフターフォローがハウスメーカーに劣る傾向がある

設計事務所に家づくりを依頼する場合、ハウスメーカーと比較するとアフターフォローが充実していない傾向にあります。これは、アフターフォローは施工会社が実施するのが一般的で、設計事務所が直接担当しないからです。

また、設計事務所と施工会社との連携が不十分だと、住宅に何か問題があった際に対応が遅れてしまう可能性があります。設計事務所を選ぶ際は、アフターフォローの内容やどれくらいのスピードで対応してくれるかをあらかじめ確認しましょう。

まとめ

設計事務所とは、建築の設計や工事監理などを主な業務とする、建築家が在籍する事務所のことです。設計事務所では設計のみに注力するため、こだわりを詰め込んだデザイン性や機能性に優れた住宅を実現できます。

「設計事務所がどんなところか大体わかったけど、やっぱりまだ相談の敷居は高いな…」とお考えの方は、ぜひ山川設計にご相談ください。

山川設計は、RC造に特化した設計事務所です。「まず何を検討すべきかわからない」という方に対しても、初回相談から図面や模型を用いて具体的なイメージが湧くよう提案させていただきます。

また、設計事務所にありがちな「最終コストがわかりづらい」に対しても、コスト管理もすべて自社で行う山川設計なら、不安なく進めていけるでしょう。また、設計事務所はハウスメーカーと比較してアフターサービスが不十分だと認識されがちですが、山川設計は1年点検と5年点検を実施しています。

施工会社や不動産会社など幅広い協力会社と堅固な連携を築き、万全な体制を整えています。

無料相談も受け付けているので、「設計事務所に依頼して理想の住宅を実現したい」とお考えの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。