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「注文住宅を建てる際の流れがわからない」
「流れがわからず、まだ行動に移せていない」
注文住宅の新築を考えている方の中には、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、注文住宅が完成するまでの一般的な流れや、押さえるべきポイントを紹介します。注文住宅の検討から引き渡しまでに必要な期間も紹介しているので、計画を立てる際の参考にしてください。
注文住宅を建てる際の流れ

注文住宅を建てる際の流れは、住宅会社によって変わります。よくある一般的な流れは、以下のとおりです。
- 注文住宅にかける予算を検討
- 情報収集と希望する条件の整理
- 住宅会社の選定
- 注文住宅を建てる土地の選定
- 間取り案と見積もりの提示を依頼
- 打ち合わせを重ねて間取りや設備を確定
- 住宅会社と工事請負契約を締結
- 住宅ローンの本審査
- 着工
- 竣工・引き渡し
それぞれの段階でどのようなことをするのか、見ていきましょう。
1. 注文住宅にかける予算を検討
注文住宅を購入するための予算の目安を、最初に検討しておきましょう。予算が足りなくなって無理なローンを組むことになったり、予算を切り詰めすぎて満足のいく住宅が建てられなくなったりするのを防ぐためです。
以下の情報を確認すると、予算を検討しやすくなります。
- 注文住宅を建てたいエリアでかかる平均的な費用
- 住宅ローンの返済可能な月額
自己資金のほか、自動車ローンなどの既存の借入金額も確認しておくとベストです。
2. 情報収集と希望する条件の整理
次に、WebサイトやSNS、雑誌などで気になる外観や間取りなど、注文住宅の情報を集めます。収集した情報から、どのような住宅にしたいのかイメージを膨らませましょう。
この段階では、「地震に強い住宅にしたい」「デザインに曲線を取り入れたい」など、思いつく限りの希望をピックアップします。
3. 住宅会社の選定
住宅会社を探し、希望する条件を満たした住宅を建ててもらえるか確認しましょう。デザインのテイストや、得意とする工法などが注文住宅ごとに異なるため、希望を満たせるかどうかの確認は重要です。
住宅展示場やモデルハウス、ショールームを見学すれば、希望に合う住宅を建てられる住宅会社かどうかがある程度わかります。
近年はWebでの発信に力を入れている住宅会社も増えているので、「ネットで実例を見かけて、素敵だと思った」「ホームページに掲載されているような住宅を建てたい」などのきっかけから問い合わせるのもいいでしょう。
「唯一無二の住宅にしたい」「豪邸感を出したい」という場合は、ハイエンド向け住宅雑誌「モダンリビング」が参考になります。「注文住宅特集」「豪邸特集」などが掲載されており、理想に近い実例を見つけられるでしょう。
住宅会社選びでは、以下のような事項にも注目することをおすすめします。
- 予算内で実現できそうか
- アフターサービスの体制が整っているか
- 設計者との相性は問題なさそうか
- 要望を叶えた注文住宅を建てられそうか
注文住宅で要望が叶わなかった失敗談もあるため、希望に合うかどうかの確認は重要です。
4. 注文住宅を建てる土地の選定
土地が決まっていない場合は、土地探しから住宅会社に相談します。土地探しにおいて重視したいポイントは、以下のとおりです。
- 通勤・通学の利便性
- 周辺の商業施設の充実度
- 地盤や治安などの安全性
- 災害リスクの有無
- 騒音リスクの有無
- 注文住宅の建築に影響する法規制の有無
ライフスタイルに合わせて重視したいポイントをチェックして、どの土地に注文住宅を建てるか決めましょう。
すでに土地が決まっている場合は、土地に合った間取りを提案してもらうために、現地調査を依頼します。
5. 間取り案と見積もりの提示を依頼
土地の形状や状態に合った間取り案と見積もりを、住宅会社に作成してもらいます。
まずは一旦、予算を気にせずに希望はすべて住宅会社に伝えるようにしましょう。希望をすべて伝えることで、家族が暮らしやすい理想の家づくりができるためです。ただし、すべての希望を実現したら予算オーバーする場合、優先度の高い希望以外は代替案を検討するなど、金額を下げる工夫が必要です。
見積もりを提示されたら、金額に含まれる項目を必ずチェックしましょう。しっかり確認しないと、必要な工事が金額に含まれておらず追加料金がかかるなど、最終的に予算オーバーの懸念があるため注意が必要です。
6. 打ち合わせを重ねて間取りや設備を確定
提示された間取り案と見積もりをもとに、詳細を決めていきます。ここで妥協すると、注文住宅が建ってから後悔しかねないため、じっくりと検討が必要です。
部屋の広さや窓の大きさなど、設計図を見てもイメージしにくい部分があれば、積極的に質問しましょう。疑問に感じる部分がないようにすることで、完成してから「思っていたのと違う」といった失敗を防止できます。
希望条件の優先順位を決めておくと、間取りを決めやすくなります。
7. 住宅会社と工事請負契約を締結
間取りが決まったら、住宅会社と工事請負契約を締結します。契約は、工事請負契約と設計契約にわかれるケースもあるため、どちらに該当するかは住宅会社に確認しましょう。
契約締結後、建築確認申請や構造計算などを住宅会社に進めてもらいます。並行して水廻りや建具の仕様、カラーなどを決めていく流れが一般的です。
8. 住宅ローンの本審査
注文住宅の購入にかかる費用が確定したら、住宅ローンの審査を申請します。利用する金融機関によって、審査にかかる期間が変わります。
短ければ1〜2週間で完了しますが、長いと1ヶ月近くかかるケースもあるため、審査にかかる期間を申請前に確認しておきましょう。
9. 着工
住宅ローンの審査に通ったら、着工となります。工事中は、設計者が図面どおりに施工されているかチェックし、工事監理しながら進捗します。
希望すれば工事中の現場を見学できるケースもあるので、必要な場合は担当者に相談しましょう。
10. 竣工・引き渡し
工事完了後に不備がないか、まずは住宅会社が現場をチェックします。引き渡し前に施主自身も現場をチェックできるため、気になる箇所があれば是正を依頼しましょう。
問題なければ、注文住宅の引き渡しは完了です。
注文住宅の検討から引き渡しまでの期間

注文住宅の検討から入居まで、一般的に1年〜1年半程度かかるといわれています。流れごとにかかる期間は、以下のとおりです。
流れ | 期間 |
---|---|
・注文住宅にかける予算を検討 ・情報収集と希望する条件の整理 | 予算検討と情報収集を並行して1~3ヶ月前後 |
・住宅会社の選定・注文住宅を建てる土地の選定 | 住宅会社と土地の選定を並行して2~6ヶ月前後 |
・間取り案と見積もりの提示を依頼 ・打ち合わせを重ねて間取りを確定 ・住宅会社と工事請負契約を締結 | 2~6ヶ月前後 |
住宅ローンの本審査 | 2~4週間前後 |
着工〜工事完了 | 1年前後 |
竣工・引き渡し | 1ヶ月前後 |
土地の選定や間取り決めに時間がかかる場合は、注文住宅が完成するまでの期間がさらに長くなります。
入居したいおおよその時期が決まっている場合は、逆算して準備を開始しましょう。
注文住宅を建てる流れに関する注意点

注文住宅を建てる流れについての注意点は、以下の3つです。
- ハウスメーカーでは設計担当者と直接打ち合わせできない
- 最初から具体的な間取りの提案はしてもらえない場合がある
- 下請け業者が施工する場合はスムーズに連携できない可能性がある
どのようなことに注意するべきか、順番に説明します。
ハウスメーカーでは設計担当者と直接打ち合わせできない
一般的なハウスメーカーでは、営業担当者が施主と打ち合わせを実施します。
設計者が参加していない打ち合わせの場では、すぐにできる・できないを判断できません。営業担当者がヒアリングした事項を、営業担当者を介して設計者に伝える形となります。
そのため、後から希望の間取りを実現できないと判明する、希望がうまく設計に反映されないなど、認識齟齬が起きる可能性があります。
もちろん、営業担当者を介してでも円滑なやり取りができるハウスメーカーも存在しますが、認識齟齬が起こっていないかには常に注意しましょう。
最初から具体的な間取りの提案はしてもらえない場合がある
一般的なハウスメーカーでは、具体的な間取りを提案してもらうまで複数回の打ち合わせが必要です。「希望を伝える→担当者が持ち帰って社内で間取りを検討→次の打ち合わせで提案」というラリーを繰り返すことになります。
そのため、具体的な間取りが確定するまでに時間がかかります。共働きの子育て世帯などで忙しくて打ち合わせの時間が取りにくい場合、間取りの確定までさらに時間がかかってしまうでしょう。
間取りが確定しないと着工できないため、結果的に希望した時期までの引き渡しが難しくなる懸念が生じます。
下請け業者が施工する場合はスムーズに連携できない可能性がある
ハウスメーカーや工務店は自社で施工しますが、設計事務所の場合、一般的に設計と施工が分かれるため、連携に時間がかかることが注意点です。
もちろんすべての設計事務所に共通する話ではありませんが、設計のみに注力し施工はあまり見てくれない、連携がうまくいかず見積もりに時間がかかるなどのケースも考えられます。結果的に、設計通りに仕上がらなかったり、設計時の見積もりと実際の建築費にズレが生じたりする可能性があります。
まとめ
注文住宅を建てる一般的な流れは以下のとおりです。
- 注文住宅にかける予算を検討
- 情報収集と希望する条件の整理
- 住宅会社の選定
- 注文住宅を建てる土地の選定
- 間取り案と見積もりの提示を依頼
- 打ち合わせを重ねて間取りや設備を確定
- 住宅会社と工事請負契約を締結
- 住宅ローンの本審査
- 着工
- 竣工・引き渡し
検討開始から入居するまでに、一般的には1年〜1年半程度かかります。
なお、本記事で紹介した注文住宅を建てる際の懸念事項に対して、山川設計では以下のように対応しています。
懸念事項 | 山川設計の場合 |
---|---|
ハウスメーカーでは設計担当者と直接打ち合わせできない | 初回の打ち合わせから設計士と直接やり取りできる体制 |
最初から具体的な間取りの提案はしてもらえない場合がある | 初回面談からラフ図面や外観のスケッチなどを作成 |
下請け業者が施工する場合はスムーズに連携できない可能性がある | ・施工会社との密な連携により早期に見積を作成 ・コスト管理も全て自社で行い、最終的なコストを明確化 |
ポイントを押さえて無理のない家づくりを計画したい方は、まずは気軽にご相談ください。
山川設計における初回相談・家づくりの流れに関しては、以下の記事も参考にしてください。